05/12/27更新

「普通の感覚」を持っている人が強い

経営トップの発言なんかはメディアでも発信されているし、インターネットを通じて会社のさまざまな情報を見られる時代です。例えば、ホームページを見れば会社の雰囲気もわかるし、決算短信を読めば大体どういう経営戦略に基づいているのか、経営陣の考え方も見えてくる。昔に比べると情報が飛躍的に入りやすい社会になっているんですよ。だから、いくらでもそれを入手して投資するチャンスはある。

メディアやインターネット以外にも、情報収集の方法はあります。例えば飲食業だったら、実際店に足を運んで、店内の雰囲気、従業員の態度を見れば、どういう会社か想像できる。どんなに流行っているお店でも、実際自分の目で確認して、「この会社は伸びる」と確信しなければ、投資しませんね。

例えば、今は流行っていても、お店に行ったら客がいっぱい並んでいるのに、数人の店員が遊んでいる。これじゃ会社が儲かるわけがない。ちょっと勘のいい人なら予想できるはずです。こういう“消費者視点”って大事ですよ。自分を含めた「その他大勢」の判断が、その会社の業績を決めて、これが株価につながっているわけですから。消費者がいいと思わない会社の株価がハネ上がるはずありません。だから、飲食とか小売業の株は、基本的に自分で店を見ないと買わないことにしています。

個別企業の動向だけでなく、産業構造そのものを見極めることも重要です。時代の流れの中で、ある産業が別の産業にとって代わられることが結構ある。この時、新規に入ってくる側の株を買えば、将来的に値上がりする確率はかなり高い。もちろん、入れ替わるタイミングを見極めるのは難しいですけどね。

例えばヤマダ電器。「電気製品を買うのに、デパートとヤマダ電器、どちらに行きますか」と聞かれたら、ほとんどの人はヤマダ電器を選ぶのではないでしょうか。家電って、昔はデパートで買っていたんですよ。20年くらい前までは。もう1つわかりやすい例は、有楽町の旧そごう。そごうの時は店内に閑古鳥が鳴いていましたけど、ビックカメラになってあれだけの人が押し寄せていますよね。

この状態を見て、「どっちの株を買うべきですか?」といったらもう明確でしょ。儲かる株を見極められる人って、意外と普通の感覚を持っている人なんだと思う。普通の消費者の感覚、つまり消費者目線を持った人じゃないと、その会社が伸びるのかどうか見極められない。

他にも、株式投資にはいろいろな目線が必要です。例えば、普段仕事している中で、こういう仕事をしてくれるといいよねという感覚があるでしょ。そこからイメージを膨らませていって、イメージに合う会社を見つけていけばいい。たとえばアスクル。会社の総務部にいればわかるけど、こんな便利なサービスはない。近所の文房具店よりも安くて、しかも会社まで届けてくれるんだから、みんなこっちを使いますよ。仕事をしながらであっても、そういった目線を持つように心がけておくのは、株式投資では大切なことです。

株で勝ち続けるのは「朝青龍」に勝ち続けるようなもの

イラスト1

努力して勉強して知識と理論を完全武装しても、負けるときは負けてしまうのが株式市場だ

株で勝つには、こういう目線を持つことに加えて、たくさん勉強しなければいけないのは当然です。勉強しないで、機関投資家に勝てるはずないですから。僕は経理分野もすごく勉強してきたし、その他の分野でも人一倍本を読んだりして、勉強してきたつもり。「仕事中にデイトレして3万円勝った」なんて喜んでいる暇があったら、その時間は勉強しろよと言いたい。

結局、みんな儲けることばかりに視点が行きすぎている。ソフトバンクが上がればワーッとソフトバンクの株に、三菱自動車が上がれば三菱自動車に群がる。そういう人達に聞きたい。「あなたソフトバンクのことをどれだけ知っているんですか」「三菱自動車の車に本当に乗りたいのですか」と。

さっきも言ったように、株に投資する時には、「儲けたい」じゃなくて、「お金を預けて運用してもらう」という感覚を持つことが大切です。そのためには、その経営者が何を考えているのかを勉強したり、その会社のビジネスについて考え抜いたり、自ら調査する行動力も必要ですね。

ブログをやっていると、「推奨銘柄を教えて」とか、「○○という株を100株所有していますが、どうでしょうか」といった質問がたくさんきます。そういう質問には、「あなたは何をもってその会社を割安と感じたのか、その会社の何がいいと思って買ったんですか」と逆質問すると、だいたい返事が来ないですよ。それにさえ答えられずに株を買っちゃいかんですよ。

努力したから勝てるというものじゃないのは認識しているけど、努力しない人に勝ちは絶対に来ないということも確か……。機関投資家がいっぱいいる中で、勉強しないで勝てるわけがない。機関投資家と同じ土俵で勉強するのは無理にしても、その人その人の専門分野は徹底的に勉強して、「この分野だったら勝てる」という分野を持たないとね。

株式市場では、勝てる土俵で勝負しないと。どんなスポーツだって、プロと素で戦って勝てる競技なんてないわけですから。機関投資家は、スポーツの世界で例えれば、西武ライオンズの松坂大輔や大相撲の横綱、朝青龍みたいなもので、株式市場ではこういうプロと戦っている。そりゃ、1回くらいは偶然ボールにバットが当たるかもしれないし、朝青龍が勝手に転ぶかもしれないけど、どう考えても常に勝ち続けるのは無理ですよね。株式市場ってそういうところなんですよ。みんなその当たり前のことに気付いていない。だから負けるんです(続く)。

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