06/01/19更新
世に送り出される企画のうち、「大ヒット!」と呼べるものはごくわずか。そこには何らかの法則があり、“デキるシゴト”のヒントが眠っているのか……。そこで、稀代のヒットメーカー・おちまさと氏に「ヒット企画を生み続けるコツ」を聞いてみた。だが、そこで返ってきたのは「ヒットに法則はない」という期待を裏切るような答え。しかし、ヒットに結びつける共通項はあるというが……。
ヒットは結果論であり
そこに「法則」はない!
よく「ヒットの法則って何?」と聞かれるんですが、ヒットの法則なんて絶対にありえないよ。僕らがやっている企画という仕事では、ヒットしたといっても、所詮は結果論に過ぎないからね。その代わり、「何でヒットしたのか」という分析はできる。
僕がよくやっているのは、「結果からの逆算」というやつ。雑誌の連載をやる場合を例に挙げてみましょうか。まず、その雑誌がゴミ箱に捨てられている場面を想像する。その時点から全てを考えてみるんです。
何でゴミ箱に捨てられたのか、捨てられる前はどうやって部屋に置かれていたのか、ラックに刺さっていたのか、無造作に床に投げられていたのか。その期間は一週間だったのか、3日間だったのか。
あるいは、読者がコンビニで雑誌を買ってくれた時、数多くの雑誌の中から、何分くらい考えてこの雑誌を選んでくれたのか。出版社の編集長は、自分の連載ページにどれくらい“情熱”を注いでくれたのか。
ビデオの巻き戻しのように、「ゴミ箱に捨てられた」という結果から、ザーっと逆算して見てみる。そうやって1つひとつを丁寧に分析してみると、ヒットするために必要な“ファクター”が見えてくるんです。
「ありそうでなかったモノ」が
大ヒット商品を生む!
メディアの世界でいわれる「ヒット」というのは、やっぱりマスにウケたかどうかで判断することになるわけですが、ヒットしたものの共通点を探すと、「ありそうでなかった」という言葉にたどりつきます。つまり、「みんなが思いついているんだけれども、これまで誰もやらなかった」というもの。これがヒットするんです。いい意味でのスキマ産業だね。
例えていうならカラオケボックス。昔、カラオケっていうと、知らない人の前で歌っていたじゃないですか。結構恥ずかしかったでしょ。そうしたらある日、カラオケがボックスで仕切られて、仲間だけで歌って盛り上がれるようになった。考えて見れば、これが当たり前の姿だよね。それまでない方がおかしかった。
これって、まさに「ありそうでなかった」ってやつでしょ。皆が思っていたのに、誰もやらなかった。だから、カラオケボックスは“不朽の名作”になったわけです。プリクラもそう。自分の写真のシールが作れる機械。あってもよさそうなものだと思うんですよ。


