05/10/27更新

外資系企業への転職――。キャリアアップの1つの選択肢として考えている人は多いだろう。実際の業務を想像してみると仕事の権限は大きく、海外とも渡り合う姿に悪いイメージは浮かびにくい。だが、実際のところはどうなのだろうか。7月に外資系IT企業の日本法人に転職したITマネジャーが求人広告などからは見えない自社の実態を赤裸々に語る!

今やすっかり日本に根を下した感のある「外資系企業」。IT業界においても、日本オラクルやSAPジャパンといった代表的なベンダは言うまでもなく、戦略系・監査法人系のコンサルティングファームの多くも外資系企業だ。さらに、最近のM&Aブームを通じて、外国資本の流入はとどまるところを知らない。

一時期もてはやされた外資系だが、ドライでシビアなのも、外資系のもう1つの顔だ。その厳しい世界でストレスをため込みながらも奮闘し、外資系IT企業の事業開発部門でマネジャーを務める吉池透氏(仮名・36歳)。彼が、外資系企業の実態を赤裸々に説明した「日記」を公開しよう。外資系に転職する際の参考にしてほしい。

2005年9月×日

日本法人社長なんて、せいぜい“部長クラス”だね

外資系IT企業 事業開発部門 シニアマネジャー
吉池透氏(仮名・36歳)

早稲田大学法学部出身。大手電機メーカーで海外営業部門など5年間勤務後、外資系広告代理店のマーケティング部門で4年、国内ベンチャーのIT部門マネジャーなどを経て、今年世界有数のIT企業へと転職。事業開発部門のシニアマネジャーとなり、年収も20%アップした。日々、社内公用語である英語力アップに励む

外資系企業は確かに日本のビジネスマンにとって身近な存在になりました。でも、まだまだ本当のところは知られていないんじゃないかな。日本アイ・ビー・エムのように日本企業化したところもあるけど、僕がいるような“普通の外資”は、日本企業とはかなり異なる。社風にせよ、マネジメントスタイルにせよ……。

要するに、「外国の会社」なわけ。

僕の会社の社長は日本人なんだけど、こういう会社では、日本法人の社長なんて、しょせん海外本社の“飼い犬”。現地法人の社長といっても、グローバルレベルで見ればせいぜい部長程度で、社長といっても、完全にただのサラリーマンですよ。

外資系企業はとにかく気が短い……。

新規事業を立ち上げて成果が出るまで、どんなに待ってくれても2年くらい。それでも成果が出せなければ、確実に“You are fired!”ってなっちゃう。

だから、クビにならないよう、社長は「どうすれば本社の外国人ボスのご機嫌をとれるのか」ばかりを考えているんだよね。パフォーマンスがうまく、「今事業年度のストラテジーは営業利益の前期比150%を狙う……」とかいって、できもしない大風呂敷を広げる。

結局、こっちにシワ寄せが来るのがいつものパターン。社長はクビがかかっているから、部下への当たりがもの凄くキッツクなるのよ。

「ちゃんと仕事をやって成果を出せよ、てめえら!」みたいな。もうボロクソに文句を言ってくる。自業自得のくせに圧政マネジメント。同僚で、ストレスで急性胃かいようになった奴もいるし。特に僕らのようなミドルマネジメント層はかなり厳しいかも……。

2005年10月×日

飼い犬のエキスパートを目指しませんか?

前の日記にも書いたけど、外資系企業でCEOクラスのポジションを経験しているような人って、相当な“タマ”だと思うのよ。外資を渡り歩いて、ヘッドハントで来ているような奴の場合は特にね。外資の組織でいかに生き抜くかを心得ている。飼い犬として上からかわいがられるため、部下に情け容赦はしない。ヘタすれば、クビも切ります。言うなれば飼い犬のスペシャリスト。もし、外資に転職したいっていうなら、そういう本当に嫌な奴ともやっていく覚悟がないと、いざというときに困るから要注意。

そうそう。よく転職雑誌とかで、「外資は裁量権が大きく、部下に仕事を任せてくれる」という記事があるでしょ? あれは嘘。少なくとも、僕のいる会社には当てはまらない。さっきも言ったように、社長は自分のクビがかかっているから、非常に厳しいチェックを入れてくる。ビタッとマン・マークされると、もうウザいウザい。逆に作業効率落ちまくりですよ。

要は、上司の権限が日本企業よりずっと大きいんだよね。直属の上司に嫌われたら、マジで終わり。あっけなくクビですもん。

別に辞めたいわけじゃないから、おいそれと反抗はできない。まぁ妄想グーパンチは何度喰らわせてるかわからないけどね。

ちなみに今、同僚との間では、

「あの社長はいつ本社からクビを言い渡されるんだ? 早く消えてくれないかな……」というのがあいさつ代わり。

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