05/12/13更新

プレイヤーからマネジャーへキャリアアップしていく際、マネジメント能力は必須のスキルといえる。プロジェクトの予算・進ちょくはもちろんのこと、チームメンバーのモチベーションをかきたて、個々の能力を最大限に引き出すことも、マネジメント層には求められる。そこで、トップコンサルタントの三谷宏治氏に「プロジェクトマネジメントのコツ」や「メンバーの育成方法」など、マネジャーを目指す人が、最低限心掛けておくべきポイントを聞いた

マネジャーは「仕事の成果物」に
責任を持つもの

マネジャーになると、下に何人か若い人(もしくは中途入社の年上の人?)がついて、チームで仕事を回していくことになります。帰宅や就寝時間が遅くなったのは、むしろマネジャーになってからです。私は、できるだけメンバーに仕事を任せてあげたい。それは自分自身、「任せてもらうことによって仕事にチャレンジし、コンサルタントとして成長してきた」と認識しているからです。

自分と一緒に働く人にも同じように成長してほしいので、アウトプットが出てくるまではなるべく我慢して待ちます。仕事を任せた以上、当然成果物に対する“責任”は持ちます。「任せる&待つ」が、私の個々人に対するマネジメントスタイルです。

プロジェクト全体に対する、マネジメントスタイルは、どうでしょうか。プロジェクトのスケジュールを考える時、「どこで“答え”を決めるか」という問いは常について回ります。一番極端なのは、最初から答えが決まっているケースです。こういう場合は、「このプロジェクトの答えはこうなるはずだから、こういうプロセスでプロジェクトを回していこう」と決められる。

提案の段階からほぼ答えが決まっているというワークスタイル、これが一番効率的なわけです。でも、確かに効率的だけれども、最初から答えがある程度決まっているわけですから、ブレイクスルーはありません。

他人にはマネできない
「答え」を考え抜く“醍醐味”

これに対し、クリエイティブ型の人間は、3カ月のプロジェクトだけれども、最後の1週間とか、極端な場合には最後の1日で答えを決めるような“大ドンデン返し”をやることがあります。答えが決まっていないプロジェクトでは、答えを求めてずっと走り回らなければならないので、メンバーは本当に大変です。

私はそういう意味では“折衷型”ですね。プロジェクト期間の真ん中よりもちょっと手前くらいで「プロジェクトの答え」を決断する。長いコンサルティング経験もあるし、プロジェクトの内容も分かっている(つもり)なので、決めようと思えばもっと早く決められるかもしれない。でも、自分の既存知識の範囲内で判断し、「多分こういう答えでいけるだろうな……」と思ってやる仕事って、私にとっても、チームのメンバーにとってもあまり面白いものだとは思えません。

だから、プロジェクトが始まって、最初の何週間かは、「何でもいいから、面白いことを見つけて来て」とお願いすることがあります。これには、みんな結構苦しんでいるようです。単に「こういうことを証明してほしい」と言ったら、誰でも“それなりの答え”を考え出せるんですよ。何か制約を与えてあげれば、答えは格段に見つけやすくなりますから。

でも、それって楽しくないでしょ? 制約を設けないからこそ、自分が考えつかなかったことが見つけられると思うのです。そういう意味で、若いメンバーにはすごく期待しています。とにかく私を「おっ」と驚かせてほしい。メンバーにとっては辛いかもしれませんが、最初のうちは“意図的”に苦しませたりすることもあります。それは悩んだ末に生み出していくプロセスが大事だからです。

そうしたプロセスを通じてスキルが磨かれます。そして戦略コンサルタントであれば、こうした「自由さ」をイヤとは言えないハズ。だって、他人にはマネできないような「答え」を見つけることが戦略コンサルタントの一番面白いところだし、皆そういうプロセスに醍醐味を感じているから。だからこそハードなプレッシャーにもめげず、仕事にチャレンジできるのでしょう。

チームマネジメントで
心掛けていること

プロジェクトにはいろいろなタイプがあるので、誰しも「得手不得手」な分野があると思います。例えば、天才的な“発想力”を持っている人は、いったん答えを見つけて先が見えてしまうと、プロジェクトを回すことに興味を失ってしまう傾向がある。だから、プロジェクトには発想力がいま1つでも、ゴールに向かって、しつこく、整合性をもって最後まできっちりやり遂げるタイプの人材も必要です。そういう人達も大切にしています。

「皆が楽しく働けるようなムードにする」……それはマネジメントとして最低限心掛けるようにしていますね。

他にも気をつけていることがあります。それは、1人ひとりをなるべく大人扱いしようということ。もともとアクセンチュアって、新卒でタタキ上げの集団。そういう点では、日本の伝統的企業と変わらないところがある。そこで何が起こるかというと、(別に悪い意味ではないのですが)師弟関係というか、上下関係がずっと続くわけですよ。昔から一緒に仕事をしてきて、基本的にいつまでたっても上と下の関係は変わらないから、それがそのまま言葉使いにも出るわけですよ。当然気心が知れてきたら“呼び捨て”にもするし

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