06/02/14更新

どんな一流コンサルタントにも、「初めてのプロジェクト」がある。仕事において“初めて”の場合、一般的に難易度の低いミッションが与えられるものだが、三谷宏治氏の場合は、かなり事情が異なっていた……。三谷氏のキャリアの礎を築いた初プロジェクト奮闘記を中心に、「ビジネスモデルの作り方」「成功と失敗」など、コンサルタントとして成長し続けるための秘訣を伝授する

大型コンピュータでも
太刀打ちできないテーマ

初めてのプロジェクトでは、ある企業の経営戦略の立案に関わりました。私のミッションは、メインの事業の収益性分析、要するに、色々な数字を組みあわせて今後儲かるのかどうかを分析すること。ビジネスモデルを組み立て、事業をモデル化して、経済環境などを予測してシナリオ化したり、シナリオ別の収益性を予測したりするような役回りでした。

実はこのテーマって、今やっても難しい。実際、収益分析について研究している人は、世の中にたくさんいます。それこそ、大学の先生が研究するようなテーマ。物事を予測するモデルには複雑なものはいくらでもあるし、事業には色々な要素があるので、いくらモデル化したといっても、それだけで1つのきれいな算式に落とせるわけではありません。大型のコンピュータを動かさないと太刀打ちできないようなものもたくさんある。私自身、いろいろなモデルを勉強してみましたが、(分析の)目的が違っていたこともあって、正直、あまり役に立ちませんでした。

「切り口」さえブレていなければ
専門家の仮説にも勝てる!

結局、私が作ったのは、いくつかの要素の組み合わせ。最終的には「二つの数字をもとにした巾乗と定数の足し算」という形の極めてシンプルな、MS Excel(当時はLotus1-2-3でしたけれど……)で簡単に処理できるようなモデルでした。でも、このモデルは、過去も非常にきれいにトレースするし、きちんと説明できるわけですよ。

「この年にXXという失敗をやってしまったから、売り上げが落ちた」「この年は環境がこう変わったから売り上げがこれだけ落ちた」というふうに、実際に売り上げが上下した時期とその式がきちんと反応していく。つまり、条件をうまく与えれば、将来の予測も可能だったわけです。

私にとって幸運だったのは、そのモデルは今後2~5年を予測するツールだったので、すぐにそれが正しいかどうか答えが出ることでした。実際、プロジェクトが終わった直後に、予測した答えが当たっていたことがわかったんです。

プロジェクトへの評価は、もちろん外れるより当たった方が良いわけですが、個人としてもすごく嬉しかったですね。たとえシンプルであっても、うまくやれば大型コンピュータにも、何十年と研究している何百人という人達にも勝てるんだということがわかったわけですから。そして、一番大事なのは「切り口」であることを学びました。

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