06/11/24更新

「勝ち組」「負け組」などといわれる遥か以前から、二極化の世界を構築している社会がある。それが“裏社会”だ。時には命が危ぶまれる状況でも生き残り、かつ成功していかなければならない裏社会には、表舞台にも応用できる貴重なノウハウが隠れている。商社から警視庁へ転職、叩き上げで刑事へとキャリアアップし、現在は犯罪学者としても活躍する北芝健氏が、そのノウハウを伝授する

普段何気なく生活している平和な社会。その平和な社会に、暴力団という“反社会的集団”は表舞台では目立たないが、確実に根を下ろしている。暴力団関係者の2倍を優に超える人員を要する警察をもってしても、この闇社会を消し去ることはできていない。それは、「建前」というキレイ事で形作られた社会が、社会の汚物を流す「下水道」としての暴力団を必要としているからだと、元警視庁刑事の北芝健氏は説く。

暴力団は多角化・グローバル企業化している

日本社会病理研究所
主任研究員 助教授
元警視庁刑事 北芝 健氏

商社から警視庁へ転職。刑事警察や公安警察に所属し、警視総監賞4回の他、警務部長賞など受賞多数。その後、早稲田大学大学院にて犯罪社会学を専攻。現在は、「日本社会病理研究所」主任研究員と助教授を務めるほか、犯罪学者としても活躍。マンガ原作者としての顔も持つ。TVドラマ『踊る大捜査線』の主人公・青島刑事のモデルとも言われている。著書多数

警察時代は、暴力団関係の事件をたくさん扱いましたが、そこで分かったのは、暴力団も企業も、「組織はプロフィットをあげて繁栄することを目指す」という点で一致するということです。

覚せい剤から売春、銃器の密輸、脅し、騙し、乗っ取り……。暴力団という集団はある意味、多角化企業であり、“持ち株会社”のようなものです。もちろん、暴力団は蔑むべき対象であって、有害視しなくてはならないものですが、ビジネス的にみると、彼らの年間収益は4兆円もあって、普通の企業ではとても太刀打ちできません。しかも税金も払っていない場合が多いので、ほとんど純利益です。

こうした利益は、政治に食い込んだり宗教に食い込んだり、オモテの経済に食い込んだりしながら、恐ろしい活動を行なった結果として得られたものです。小さなところでは、シンナーを売っているような下部組織から上納金を吸い上げる一方、昔は総会屋、今は企業恐喝屋として、企業から何億円ものお金を脅しとる。

オモテでは“環境保護団体”のような看板を掲げながら、「工場の排水に毒が混入しているぞ」と脅して、それを公表しない代わりに、企業に使途を明かせない出費を迫ることもあります。しかも、最近はチャイニーズ・マフィアとも手を組んでいますから、多角化しているだけでなく、“国際企業”になっていると言ってもいいでしょう。

Yahoo!ブックマークに登録 この記事をdel.icio.usに追加

1 2 3 4 5

キーワードから記事を探す

キャリアを、スキルを、年収をアップさせたい!「キャリアアップ」「スキルアップ」「ライフアップ」をキーワードに、3年後のキャリアから10年後の生活設計までサポート! どこから読んでも夢の入り口、憧れのキャリアをつかめ!