06/12/28更新

生き抜く力に長け、精神力もタフなヤクザの容疑を立証するには、いかにして相手の心を“自白”に向けて動かすかが重要になる。ヤクザ対警察という厳しい関係性の中で蓄積された、心理戦術をビジネスに応用できれば、相手より優位になるだけではなく、仕事がしやすくなることで、成績アップにもつながるはずだ。キャリアアップに向けても強力な武器となる最強の心理戦術とは……

自分が犯した罪を隠そうとする犯罪者と、それを暴こうとする刑事。そこで展開される駆け引きの中では、高度な心理戦術が要求される。そして、この心理戦術は、そのままビジネスへの応用が可能だと北芝健氏は説く。

人の“心の壁”をブチ破る方法

日本社会病理研究所
主任研究員 助教授
元警視庁刑事 北芝 健氏

商社から警視庁へ転職。刑事警察や公安警察に所属し、警視総監賞4回の他、警務部長賞など受賞多数。その後、早稲田大学大学院にて犯罪社会学を専攻。現在は、「日本社会病理研究所」主任研究員と助教授を務めるほか、犯罪学者としても活躍。マンガ原作者としての顔も持つ。TVドラマ『踊る大捜査線』の主人公・青島刑事のモデルとも言われている。著書多数

ビジネスと同様に、刑事の仕事も交渉事の連続です。犯罪者を自白に追い込むのもある種の交渉ですし、そこでは高度な心理戦術が求められます。

犯罪者の中には、まったくこちらの問いかけに応じない“完全黙秘”の姿勢を見せる手強い者も少なくありません。こういう場合に有効なのが心理戦術です。手強い相手に対峙する場合には、まず最初に、犯人の生い立ち、性格、趣味、嗜好などを徹底的に調べ上げ、さらに、交際していた女性、ヤクザであれば組の幹部、世話になった刑事など、その人の人生に深く関わった人物をすべて割り出します。

そうやって集めた情報から推測して、意図的に容疑者の心の琴線に触れそうな話をしたり、嫌な思い出を想起させたりしているうちに、必ずどこかで容疑者の“心のネットワーク”にひっかかります。犯人に動揺が見えたら、そこから切り込んでさらに揺さぶり、自白に持っていくのです。

刑事になったとき、大先輩のベテラン刑事から「人を見て法を説け」と言われたものです。要するに、他人と接する時は相手の人間性に合った接し方をせよという意味です。犯罪者に対してもこれとまったく同じことが言えます。

涙もろく感受性の強い人には、ありがたい話を織り交ぜながら感情を揺さぶる戦法は効果的ですが、冷たく心を閉ざしている人に対して、いくらそういう話を聞かせてもまったく響きません。言葉は悪いですが、この手の人間に対しては強硬な取引をすることも必要なのです。

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