06/12/14更新

前回まで部下サイドから見た効果的な交渉テクニックを紹介してきたが、今回は上司サイドに移り、部下から突き上げられないための交渉術にフォーカスする。マネジャー、そして上司と部下の板バサミになる「中間管理職」は、生き残るために何をすべきなのか? 内藤氏が推奨する「10人中3人とって7人切る」マネジメントで得られる“うまみ”に注目せよ!

アンダードッグにはアンダードッグで応酬

内藤誼人
(ないとう・よしひと)
心理学者

(有)アンギルド代表取締役。 慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。説得的コミュニケーションをはじめとする社会心理学と、精神分析をはじめとする臨床心理学の両方を得意とする。著書に『記憶する技術』(中経出版)、『実践! 反論×反撃法』(PHP研究所)、『パワープレイ』(ソフトバンクパブリッシング)などがある。 座右の銘は、「人生万事塞翁が馬」

これまで「部下」の立場から見た給与交渉術についての話をしてきましたが、今度は上司の立場から、部下との給与交渉に臨む際の心構えについて考えてみましょう。

上司にとって、部下との給与交渉における「成功」とは、できる限り給与を上げさせない、できれば「下げる」ということです。

部下に減給を飲ませるためには、まず部下の心を開くことが重要です。具体的には、部下の話を聞いてあげることが効果的です。部下は、自分の話をよく聞いてくれる上司が大好きです。「いろいろあると思うんだけど、君の話を先に聞くよ」と言われただけで、部下は気分がよくなります。そうやって、今年あったことや将来の計画など自由に話させた後で、減給について切り出します。

その際、「減給を命ずる」ではなく、「今の状況だと、給与アップには応じられないんだ」という言い回しにした方がいい。会社の状況、日本経済の状況、原油価格の上昇……何でもいいので、部下本人には直接関係のない理由を挙げて説得するとうまくいきます。

「その部下だけではなく、社員全員みんな一律に上げられない」と説明することがポイントです。「今年は社長も自分も含めて昇給はない」と言えば、部下も「そうなんですか」となんとか納得してくれるでしょう。

交渉に慣れた部下は、アンダードッグのような交渉術を使ってくるかもしれません。そうしたら、「お前の言うことはよく分かる。でも、会社の売上を見てくれ。3億円も年商が下がっている会社がどうやって給与を上げられると思う?上げたくても上げられないんだよ」というふうに、こちらもアンダードッグで応酬します。

ポイントとしては、自分の意見を言ってはダメということ。相手も傷つくし、自分も嫌われるだけだからです。あくまでも、他のことに責任転嫁しながら交渉するのがコツですね。

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