07/03/20更新

国際舞台で強い発言力を持つことから、「アメリカ人=交渉上手」というイメージを持つ人は多い。しかし、国際弁護士として日米両国で多くの交渉をこなし、日本流、米国流それぞれの交渉の「良いトコ・悪いトコ」を知り尽くす八代英輝氏は、盲目的に米国流の交渉を賛美することに警鐘を鳴らす。日本流、米国流それぞれの「イイトコ取り」こそが、“タフ・ネゴシエーター”への最短距離なのだ

アメリカでは「謙譲」するとツケこまれる

八代英輝
(やしろ・ひでき)
元裁判官、国際弁護士

慶応義塾大学法学部卒業。司法試験に合格後、裁判官に任官。1997年に裁判官を退官し、東京弁護士会に弁護士登録。2001年、米国コロンビア大学ロースクールに留学し修士課程修了後、米国司法試験(NY州)に合格。著作権法や知的財産権法に精通した数少ない弁護士として各方面で活躍し、大学院において教鞭もとる

日本では、「自分なんて大したことないですよ」というように控えめであることは美徳とされてきましたが、アメリカでこれをやったら、間違いなく損をします。

つまり、謙譲してもまったくと言っていいほど感謝されませんし、それどころか、謙譲するとそこに乗っかってきて、こっちが引いた部分までも「当たり前」にされてしまいます。

もともと日本人は、あまり「自分はこんなにもできる」というふうにアピールしませんし、僕自身こういった“セルフ・プレゼンテーション”は得意だったわけではありません。

しかし、アメリカでいろいろな交渉を経験するうちに、自分の能力を低く見積もって言う必要はまったくないし、むしろある程度「風呂敷を広げる」のは、面接や交渉の場面ではアリだと思うようになりました。

ただ、だからと言って、シビアな交渉の場面で“ふっかけ”が通用するほど甘くはありません。そもそも、ふっかけるときには、どうしても話が抽象的になりがちですので、「この人は現実的なラインをよく分かっていないな」とすぐにバレてしまうものなのです。

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