07/05/31更新

前回まででは、国際弁護士の八代英輝氏が交渉の場における日本人と米国人のメンタリティの違いについて、実体験に基づいたエピソードを披露した。今回は、「転職時の年俸交渉のコツ」「交渉時にやってはいけないこと」、さらには「金額以外のメリットを与えるポイント」など、日常生活にもすぐに応用可能な“金額交渉に勝ち抜く方法論”を指南する!

「クリエイティブな交渉」を目指そう

八代英輝
(やしろ・ひでき)
元裁判官、国際弁護士

慶応義塾大学法学部卒業。司法試験に合格後、裁判官に任官。1997年に裁判官を退官し、東京弁護士会に弁護士登録。2001年、米国コロンビア大学ロースクールに留学し修士課程修了後、米国司法試験(NY州)に合格。著作権法や知的財産権法に精通した数少ない弁護士として各方面で活躍し、大学院において教鞭もとる

僕の弁護士業務において、核となる仕事は、映画やテレビ、音楽をはじめとした著作物の著作権など、知的財産関係の契約交渉ですが、給与交渉と同じように、交渉にあたっては必ず金額のラインをあらかじめ決めておきます。

実は、相手が売る側として著作権などの権利を持っていて、それをこっちがどうしても欲しいという状況では、金額以外にこちらが準備できるものはあまりないんです。ただし、単に金額だけの話だったら、わざわざ僕を代理人として雇ったり、顔をつきあわせて交渉する意味はありません。

僕は、交渉の上手さというのは、どれだけ金額以外のオプションを提示できるかにあると思っています。例えば、相手に金額以外の何らかのリクエストがないか尋ねてみたり、逆に納期や付随的な契約条件など、金額以外のさまざまな部分でこちらが妥協するということもあり得るわけです。

核の部分での譲歩を最小限に抑えつつ、いかに相手にとってウマ味のある条件を思いつけるか――そんなクリエイティビティが、交渉の場では要求されると思います。

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