06/05/16更新

ある有名な“トラブル・プロジェクト”のメンバーだった山崎氏が、ついに転職を決断した。なぜ退職を決意するに至ったのか。また、トラブルの原因、会社への怒り、トラブル・プロジェクトに携わったことの意義とは。次のキャリアプランなどについても、本音で語ってもらった。

(取材・文 / 中村京介)

採算度外視の失敗プロジェクト

4月1日に予定されていたカットオーバーが、ゴールデンウイーク明けにも間に合わず、結局9月にズレ込みました。まともにやったら2年はかかるERP導入プロジェクトを、予算を抑えるために1年で、しかも、コストも提案時と比較すれば約4分の1ぐらいに削られた。元々現実的に無理な話だったんですよ。

昨年の秋には既に赤字になっていて、今は“無償”でやっています。「カットオーバーの時期が伸びた場合は無償でやります」という契約を、既にお客さんと結んでいたからです。

それでも、昨年秋から、プログラマーや外注さんをかき集めて“突貫工事”のような開発作業を行いました。そうしたら、テストの段階でバグがボコボコ出てきちゃって……。“姉歯建築士”じゃないけど、手抜き工事やったのがバレバレ(笑)。なかにはテストすらしていないと思われるケースもあって、関係者も唖然としていましたよ。

今回のプロジェクトもそうですけど、トラブルになっているプロジェクトって、はじめからトラブルにつながる要素があると思っています。元々の受注金額や導入スケジュールの問題、受注側(元請会社)の問題、発注側(顧客)の問題。それが全部そろっちゃった時、大きなトラブルになってしまうのです。

プロジェクトマネジメント軽視の会社は要注意!

今回のプロジェクトは、導入スケジュールやコストの問題が一番大きいけれども、間違いなく受注側(元請会社)にも問題がありました。その元請会社は、プロジェクト管理や外注管理などプロジェクト管理といわれる分野がどの会社よりもガサツだったと思います。

親しい外注さんに言われたんですが、「この会社っていわゆる“技術屋”ばっかりで、WBS(ワークフロー・ブレイクダウン・ストラクチャー)、つまり、スケジュールを立ててそれをブレイクダウンできる人がいないから、プロジェクトマネジメントが滅茶苦茶なんだよ……」って。

結局、誰が何の業務の担当かさえ曖昧なんですよ。不思議なのは、プロジェクトメンバー全員がその問題に気付いているのに、誰もそのことを指摘しようとしないこと。なぜって、何か発言したら自分がその業務の担当にされるかもしれないから(笑)。そして、そのまま日がずるずると経ってしまう。ある時、外注さんも怒っていましたよ。「この作業って誰が担当なの?」って。でも、自分は「さあ、誰でしょう」って答えるしかなかった。だって、本当に何も決まっていなかったんですから……。

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