05/12/22更新

ITコンサルタントになるまでに、プログラマー→SEとキャリアアップしてきた山崎慎一氏(仮名・35歳)が、大手SIerで働くメリットとデメリットを語る。大小さまざまな企業を渡り歩き、彼が目の当たりにした「バブル採用組の悲哀」「30代キャリアアップ転職の際の苦悩」とは……

(取材・文 / 中村京介)

それまで所属していた会社がどこであるかが、転職の成否を大きく左右するのは言うまでもない。第二新卒の場合、前職が大手企業であればあるほど、ポテンシャルの観点から評価される傾向があるが、キャリア転職となるとそう単純なものではない。いかに大手企業にいようとも、仕事の内容が「外注管理」ばかりでは、転職市場での評価は思いのほか低いこともあり得る。大手シンクタンク系SIerを皮切りに、さまざまな会社を渡り歩いてきた山崎慎一氏(仮名・35歳)が語った……。

大手SIerは技術志向のSEには向いていない?

「何であんな良い会社を辞めたんですか?」――新卒後、大手シンクタンク系SIerでのSE経験を持つ山崎氏は、転職活動時に面接官からよくこう質問される。その会社でビジネスマンとしての基礎を作ってもらったこと自体には感謝しているが、会社を辞めたのにはそれなりの理由がある。

「まず、仕事がある時期から物足りなくなってしまう。結局大手SIerはある入社年次から外注さんをかき集めて、外注管理するのがメインの仕事になりがちです。若いうちから外注管理をメインにやっているから、自分でプログラムを書く機会が他社よりも少ない。結局、自分でプログラムを書くと生産性は悪いし、デザインもできがよくない、設計の感覚も悪いという、スキルのないエンジニアが全体的にできあがってしまう。だから、特に技術志向の強い人には向いているとは思えません」

大手SIerの業務に向いている人をあげるとすれば、「プロジェクトマネジャー(PM)やプロジェクトリーダーになりたい人」ということになる。その場合も、固定客、安定客が多い分、新しいクライアントを獲得して、最初からプロジェクトを作り上げていく楽しさは周りが想像しているよりも少ないようだ。

バブル大量採用組はなかなか出世できない

ただ、大手SIerで働くことにはメリットもある。その1つは「安定」だ。もちろん、PM、ITコンサルタント、事業部長などキャリアアップできる人は限られているが、たとえ出世できなくても、会社に残ることはできるからだ。

「その会社もさすがに昔は規模が小さかったから、ほとんど全員が課長くらいまではなれました。でも、バブル期で大量採用をしたせいで余剰人材があふれており、人員に見合うポストがありません。その場合でも、最終的な肩書きは、主任とか課長代理クラスを付与してくれますが……」

出世をあきらめた人達は、安定した給与を求め、「会社にしがみつく」ことになる。ただ、給与の絶対額は多くても、「作業量と比べると全く割りに合わない仕事」と打ち明ける。

「以前の会社は過酷な労働環境に耐えられたら、バブル後でも35歳で平均1000万円近くの年収が手に入る会社でした。ただ、『あれだけ働いていてこの額は安い』という思いは正直言って強かった。私が入社する以前のバブル期では、残業代は青天井。申請した通りに残業代をもらえたようです。手取りの給与よりも残業代の方が多かったときもあったようです。今は残業代が出ない代わりに、『○○手当』が付与される。その会社で生き抜いていくためには人の2倍働いて1・5倍しか給与をもらえない状況に耐え抜く精神力と体力が必要だと思いますね」

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